身近なさまざまな水、硬水軟水どっちかわかる?
日本は軟水が多い国ですが、その理由は地形や地層にあります。硬水はミネラル成分が多く含まれている地層や石灰岩をゆっくり水が流れることで、ミネラルに触れながら時間をかけて硬水になります。
しかし、日本は傾斜が急で河川も短く水の流れが早いため、ミネラル成分を取り込めないままダムに流れるため、日本の飲水は軟水が中心になっています。
ただ、日本のお水はすべて軟水というわけではありません。地域によっては高度が高い場所もあったり、商品や飲み物などは、硬水と軟水を使い分けていることもあります。
今回は、身近なお水を例に、軟水と硬水のどちらかご紹介します。
まずは軟水と硬水の違いを確認しましょう。
軟水と硬水の違い
硬水とはカルシウムとマグネシウムの濃度が高く、硬度が120 mg/L以上のお水のことを言います。
軟水も硬水も見た目は変わりませんが、一般的に軟水は口当たりが軽く飲みやすいイメージがあり、硬水の方がミネラルが豊富で、成分の風味としっかりとした飲みごたえを感じる特徴があります。
硬度:60 mg/L未満:軟水
60~120mg/l 未満:中軟水
120~180mg/未満:硬水
180mg/l以上:非常な硬水(超硬水)
身近なさまざまな水、硬水軟水どっちかわかる?
生活編
①水道水(軟水が中心)
一番身近な水道水の日本の平均硬度は48.9mg/Lとされているため、やはり軟水が中心になりますが、実は関東地方と沖縄県、熊本県は硬度が高い傾向にあり、中硬水に分類されるので、すべての地域が軟水というわけではありません。
ただ、硬度が一番高い千葉県でも78.39mg/L程度になるので、硬水や超硬水の地域はありません。
ちなみに、一番硬度が低い県は愛知県(23.11mg/L)になります。
②井戸のお水(軟水・硬水)
井戸のお水は深さや地層に含まれるミネラルの量によって、軟水と硬水に分けられます。
10m以内の浅井戸の場合は軟水で、10m以上深い井戸は硬水になることが多いです。
深井戸は20〜30mほどで水質が安定しているので、飲料水として使用することができます。そのため、浅井戸で生活水として使用する場合は軟水、井戸のお水を飲料水として使用する場合は、硬水になります。
③基礎化粧水(軟水)
硬水に多く含まれるミネラルは肌によいイメージがありますよね。
しかし、ミネラルは肌に刺激を与えたり水分浸透を妨げたりする可能性があるとされ、肌に優しいスキンケアは軟水が適しています。
飲み物編
④ビール(軟水)
ビールを作る上で、お水に含まれるミネラルは味や風味を決める重要な存在になるため、お水にこだわっているメーカーが多いです。
基本的にミネラルを多く含む硬水はビールに適していないため、軟水を使用しているメーカーがほとんどですが、ミュンヘンやダブリンなど、硬水を使用してビールを作っている国もあります。
⑤日本酒(軟水・硬水)
日本酒の約8割は水分のため、日本酒にとってもお水は非常に重要です。
日本酒はビールと異なり、酒造によって硬水軟水を使い分けています。硬度によって味わいや風味の特徴が違うため、今後日本酒を選ぶときに参考にしてみてくださいね。
■軟水を使用した日本酒
口当たりが軽くまろやかで、やわらかいイメージを感じさせる、繊細で淡麗なお酒。
■硬水を使用した日本酒
旨味とキレが生まれ、しっかりと存在感のある、濃厚で辛口のお酒。
⑥炭酸水(軟水・硬水)
炭酸水には、軟水・硬水どちらもあり、産地や硬度、炭酸の強さなど製品によって特徴があり口当たりも違います。
日本で作られている炭酸水は軟水が多く、ヨーロッパなど海外から輸入されるものは中硬水、硬水のものが多くなっています。
軟水に飲み慣れている日本人でも、炭酸水は飲み口が爽やかで硬水の炭酸水を好んで飲む方もいます。
日本は軟水が多い国のため軟水を飲み慣れている方が多いですが、実はお酒や炭酸水は硬水を使用した味が好みかもしれません。
好きな商品や身の回りのお水は軟水・硬水どちらなのかぜひ調べてみてくださいね。